霧状酸化剤注入システムDシリーズ

霧状酸化剤注入システム"Dシリーズ"とは

霧状酸化剤注入工法は、過酸化水素等の酸化剤を霧状にして最終処分場内部や不法投棄サイトあるいは汚染土壌中に直接注入し広範囲に拡散させることにより硫化水素、メタンガス等のガス処理や埋立物等に付着した有機性汚濁物質の分解、浸透水中のCOD、BOD濃度の早期低減化を実現する原位置早期安定化工法です。
(本工法は、平成19〜21年度北九州市環境未来技術開発助成事業として、福岡大学工学研究科樋口壯太郎名誉教授との共同研究により基礎実験・実証実験などの研究・開発を経て商品化された、北九州発の新技術です。)
霧状酸化剤注入システム”Dシリーズ”は、本工法を効率よく低コストで実現するシステムです。

霧状酸化剤注入システムD-01 設置状況

霧状酸化剤注入工法とは

ドライフォグノズル 発想の原点

もともと冷却塔等に用いられていた液体を10〜30µmの微細な霧状にして噴霧し、 その気化熱を利用して温度を減少させる冷却技術として用いられていました。発生させた霧の中でも10µm以下の超微細な霧を”ドライフォグ”といい、固体に接触しても跳ね返りすぐには液化し ない特性を持っております。
この固体に接触しても跳ね返りすぐには液化しないという特性を生かし、廃棄物層内の間隙を通って広範囲に酸化剤を拡散させることを実現したのが霧状酸化剤注入技術です。

従来型ケミカルオキシデーション法との違い

従来のケミカルオキシデーション法では、注入した酸化剤は廃棄物に衝突しても接触するのは表面だけとなり、裏面には接触しません。
霧状酸化剤注入技術(ドライフォグ技術)を用いた霧状酸化剤注入工法だと、ドライフォグを生成する際の圧縮空気により横方向への広範囲な拡散が可能となり、また、生成された酸化剤の霧が廃棄物全体を包み込み表面のみならず、裏面にも接触し廃棄物全体の酸化分解が可能になります。(下図参照)

従来型のケミカルオキシデーション法と霧状酸化剤注入工法の違い

ドライフォグ注入時の埋立層内部

下図は埋立層内部に霧状酸化剤を注入した際のイメージ図です。

画面上部からドライフォグを注入した場合、10〜30µmの比較的粒径の大きな霧は廃棄物(固体)に衝突するとすぐに液化し、注入孔周辺の 廃棄物に付着した有機汚濁物質を酸化分解していきます。それに加え、10µm以下の超微細なドライフォグは廃棄物(固体)に衝突しても跳ね返りすぐには液化せず間隙を通って廃棄物層の奥まで拡散した後に液化し、その場で廃棄物に付着した有機汚濁物質を酸化分解します。また、超微細な霧のためメタンや硫化水素等のガスへの接触効率も良く悪臭対策や火災予防にも効果があります。更に、廃棄物(固体)を伝って落ちる浸透水に接触することにより、これを酸化分解し浸透水のCOD、BOD濃度の早期低減化が可能となります。

霧状酸化剤注入イメージ図